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肩甲挙筋による首こりの原因とは?なぜ多くの整体やマッサージは、施術を受けても戻るのか

  • 執筆者の写真: 寛 坂本
    寛 坂本
  • 5月30日
  • 読了時間: 7分

更新日:6月1日

春日部 整体のお店「陸と月」院長 坂本


「首の付け根がずっと重くて、なんかすっきりしないんですよね」という方、多いです。

肩こりがひどくて頭痛まで出てきたり、マッサージに行っても数日で戻ってしまったり。

そのお悩み、肩甲挙筋という筋肉が深く関係していることが多いです。

その肩甲挙筋のこと、そしてなぜ首こりが繰り返されてしまうのかを書いていきますね。


そもそも肩甲挙筋って、どんな筋肉?


肩甲挙筋は、首の横(頚椎C1〜C4)から肩甲骨の上角にかけて走っている筋肉です。

名前の通り、肩甲骨を持ち上げる(挙上する)はたらきをしています。首を横に傾けたり、同じ側に回したりするときにも使います。


ちょうど首の付け根あたりから肩甲骨の上のほうにかけてある筋肉なので、「首の付け根が痛い」「肩甲骨の上あたりが重い」という方は、たいていここが緊張しています。


解剖メモ / 肩甲挙筋

起始

頚椎 C1〜C4 横突起後結節

停止

肩甲骨上角・内側縁上部

主な働き

肩甲骨の挙上・下方回旋

頚部の同側側屈・回旋

支配神経

肩甲背神経(C5)

頚神経(C3〜C4


まず知っておいていただきたいのは、肩甲挙筋だけ揉んでも治らないということです。いまの姿勢を一生懸命支えようとして頑張った結果、硬くなっているんですね。だから「ここが悪い」ではなくて、「なぜここが頑張らなければいけなかったのか」を考えることが大事になってきます。

なぜ肩甲挙筋が緊張して首こりが起きるのか——姿勢と原因の話


肩甲挙筋が緊張しやすくなる一番の原因は、現代の生活スタイルと姿勢にあります。


スマホ首・ストレートネック(頭部前方位)

スマホをよく使う方、デスクワークが多い方に多いのが、頭が体より前に出てしまう「頭部前方位」という状態です。


頭の重さって、だいたい4〜6kgあります。前に出れば出るほど、首への負担は大きくなります。その重さをずっと支えようとするので、首から肩甲骨をつないでいる肩甲挙筋がいつも緊張した状態になってしまうんですね。


猫背・巻き肩による肩甲骨の位置変化

猫背や巻き肩になると、肩甲骨が外側に開いて前に傾いた状態になります。肩甲骨の位置が変わると、そこについている肩甲挙筋も引っ張られ続けます。伸ばされた状態でも筋肉は緊張するので、これが首こりの原因になります。


視線の向きと首の向きのくせ

モニターの位置が低い、横に置いている、という方も多いですよね。同じ方向にずっと首を向けていると、肩甲挙筋に偏った負担がかかり続けます。


呼吸が浅いと肩甲挙筋が疲れる

浅い呼吸(胸だけで呼吸している状態)が続くと、息を吸うたびに肩が少し上がる動きが繰り返されます。これって1日何千回、何万回と繰り返されるんですよね。その積み重ねが肩甲挙筋への負担になります。


ストレスや緊張で呼吸が浅くなりやすい方は、姿勢と呼吸の両方から肩甲挙筋が疲弊していることが多いです。


首こりにつながりやすい生活習慣まとめ: 長時間のデスクワーク・スマホ操作 / 運動不足 / ストレスや緊張 / 浅い呼吸 / 睡眠不足による疲労の蓄積。 どれか一つではなく、いくつか重なっていることが多いですね。

首こりは肩甲挙筋だけの問題じゃない——身体全体のつながりの話


「肩甲挙筋が硬いから、そこを緩めれば治る」と思いがちなんですが、実際はそんなにシンプルじゃないんですよね。


首こりは、肩甲骨・胸郭・呼吸・視線・重力・生活習慣、こういった要素が絡み合って起きている現象です。


胸椎・胸郭が硬いと、首に負担がくる

胸椎(背骨の胸の部分)が硬くなって動きにくくなると、その分、首の骨(頚椎)が余計に動かなければいけなくなります。胸郭の柔軟性が低いと肩甲骨も動きにくくなるので、肩甲挙筋への負担がずっと続くわけです。


肩甲骨が動かないと、肩甲挙筋が代わりに頑張る

肩甲骨は本来、上下・前後・回旋とよく動く骨です。でも猫背や長時間の座位が続くと、この動きが制限されてしまいます。肩甲骨が動かなくなると、肩甲挙筋がその代わりをしようとして過剰に働き、疲弊していきます。


だから、「首の付け根だけをほぐす」というアプローチだと、根本的なところに触れていないことが多いんですね。


なぜマッサージを受けても首こりが戻ってしまうのか


「マッサージを受けると楽になるんですが、しばらくすると戻ってしまって……」という方、ほんとうに多いです。


なぜそうなるのか、理由は明確にあります。


  1. 身体の使い方が変わっていないから

マッサージで筋肉を緩めても、スマホの持ち方、座り方、呼吸のパターンが変わらなければ、身体は同じ姿勢に戻って、同じ緊張をまた作ります。筋肉はその姿勢を支えようとして、また固まります。


  1. 神経系が「このパターンが普通」と覚えているから

慢性的な緊張パターンは、神経系にも刻み込まれています。筋肉を一時的に緩めても、脳・神経が同じ緊張の命令を出し続けるので、筋肉はまた固まってしまうんですね。


  1. 上流の原因に触れていないから

肩甲挙筋の緊張は「結果」であることが多いです。胸郭の硬さ、呼吸の浅さ、肩甲骨の動きの制限——そこが変わらなければ、緊張は必ず戻ります。


  1. 筋肉に求められている役割が変わっていないから

身体が今の姿勢で重力に対応しなければならない限り、肩甲挙筋はその役割をまた担います。マッサージは疲れを癒すことはできますが、「その筋肉が頑張らなければいけない状況」を変えることはできません。


マッサージで楽になること自体は、もちろんいいことです。でも首こりを繰り返さないためには、「なぜ肩甲挙筋が緊張し続けなければいけないのか」という根本の状況を変えていく必要があります。 そこが変わって初めて、身体が変わっていきます。改善のために大切な方向性——姿勢・呼吸・肩甲骨を整える首こりの改善は「肩甲挙筋を緩める」ことだけを目的にするのでは不十分です。 当院でも、施術と一緒にお伝えしているのはこういった方向性です。

改善のために大切な方向性—姿勢・呼吸・肩甲骨を整える

改善のために大切な方向性——姿勢・呼吸・肩甲骨を整える

首こりの改善は「肩甲挙筋を緩める」ことだけを目的にするのでは不十分です。当院でも、施術と一緒にお伝えしているのはこういった方向性です。


① 姿勢の土台を整える

頭部前方位・猫背・巻き肩は、肩甲挙筋にずっと負担をかけ続けます。胸椎の動きを回復させて、重心を整えることで、首にかかる力学的なストレスが根本から減っていきます。


② 呼吸のパターンを変える

横隔膜を使った腹式呼吸を習慣にするだけで、肩が呼吸のたびに上がる動作を減らせます。呼吸は1日2万回以上しているので、そのパターンが変わるだけで身体への影響は大きいです。


③ 肩甲骨の動きを取り戻す

肩甲骨が自由に動けるようになると、肩甲挙筋が代わりに過剰に働く必要がなくなります。まわりの筋肉のバランスを整えることが、首こりの予防にもつながります。


④ 日常の身体の使い方を見直す

デスクの高さ、モニターの位置、スマホを使う姿勢、歩き方。そういった日常の積み重ねが首こりを作っていることがほとんどです。施術と一緒に、日常の姿勢を少しずつ変えていくことが、回復を早めます。


まとめ

肩甲挙筋は、首の付け根から肩甲骨をつなぐ筋肉で、現代の姿勢や生活習慣によって慢性的な緊張状態になりやすいです。


ただ、肩甲挙筋が硬くなっているのは「悪者だから」ではなく、身体が今の姿勢で一生懸命頑張っている結果なんですね。


首こりの原因は肩甲挙筋単体にあるのではなく、姿勢・胸郭・呼吸・重力への対応といった身体全体のシステムの中で起きています。だからマッサージで一時的に楽になっても戻るのは当然で、責める必要はないんです。


首こり改善のためには、姿勢・呼吸・肩甲骨の動き・生活習慣を含めた、身体全体への視点が大切です。「なんで繰り返すんだろう」と思っていた方に、少しでも参考になれば嬉しいです。


「首の付け根の重さ」「肩甲骨まわりのつらさ」が続いているなら、一度ご相談ください。

あなたの身体の状態を一緒に確認しながら、原因を探っていきます。



著者情報:坂本 寛

姿勢と呼吸の変化を観察しながら、首肩こりや慢性的疲労が回復へ向かう施術をしています。

 プロポーション・頭痛・小顔なども姿勢と呼吸が大いに関係します。

 お客様の身体に現れる小さな変化から学び続けて整体歴14年になります。 

 
 
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